瓶詰め保存の前に


WECKの密閉はどのような仕組みになっていて、ガラス容器の中では何が起こっているのでしょう?
過去90年間で実証されてきたWECKの技術はたった2つの非常にシンプルな法則によって成り立っています。この2つの法則は自然界のもので、これを変えることも改善することもできません。

▼ 第一の法則


 
果物、野菜、肉などは微生物(イースト、バクテリア、カビの胞子など)によって自然と腐敗を進行しますが、この微生物は食物だけでなくこの空気中にも存在します。
 
食品の加工が容器内で進む中、蓋・ゴムパッキン・ステンレスクリップを使って完全に空気をシャットアウトすれば微生物は死んでしまいます。

▼ 第二の法則


 
加熱中、容器の中の気圧は外気圧よりも高くなります。このため暖められた空気、蒸気、少量の水分はゴムパッキンとガラスキャニスターのふちの間から気圧によって追い出されます。
 
つまり、ステンレスクリップのバネ効果でゴムパッキンと蓋が容器にぴったり密着し、1方向にしか働かないバルブができるのです。容器の中の空気、蒸気、液体は容器の外へ逃がされますが、空気や周りの水が容器の中へ逆流してくることはありません。
 
自然と温度が下がってくると容器の外の通常の気圧が蓋を容器本体にぐっと密着させ、ガラス蓋とガラス本体の間にあるゴムパッキンに圧力をかけます。
 
こうして食品の内容物はしっかり密閉されます。鍋に入れて加熱する際に必要なステンレスクリップは、冷ました後はもう必要ないので外してください。
 
加工後、冷めた容器はしっかり密閉され、普通の気圧によってしっかり蓋がされているので他の道具や方法によってさらに圧力をかける必要はありません。

▼ 開封する場合


 

ゴムパッキンの突起部分をつまみ、『プスッ』と音がするまで横に引っ張ってください。これは空気が容器の中に入った証拠。
瓶内部の気圧と外の気圧が同じになったので、容器の蓋とゴムパッキンは自然とゆるむはずです。
容器の中はこれで真空でなくなりました。蓋は簡単に開きます。

▼ 危険性のある開封法


 

【CASE.1】
もしも容器、蓋、ゴムパッキンのいずれかが壊れていたり一部でも破損があった場合は、空気が容器中に侵入する可能性があるので、加熱した際に容器の外と中での気圧差ができず真空状態を作れません。そのため、加熱のあとに蓋がゆるむ可能性があり、早い時だと冷ましている段階でもゆるみます。
 
【CASE.2】
容器、蓋、ゴムパッキンとも問題は無かったとしても、食品の中に含まれていた微生物が死滅していない(例えば気温が低すぎた、熱処理が短すぎたなどの原因で)場合。
 
加熱が終わってから数日、数週間、もしくは数ヶ月後、腐敗した食品から臭気が発生します。その食品から発生した気体が外の気圧と同じになれば、蓋は自然と押し上げられ開封されます。

▼ 冷ました後にクリップを外す理由


 

加熱したあと、ステンレスクリップによって確保されていた密閉は、容器の内側が真空・外が通常の気圧という状態によって自然の力で確保され、ステンレスクリップは必要なくなります。
 
密閉がしっかりできていれば蓋は持ち上げてもはずれませんが、ステンレスクリップをつけたままにしておくと、持ち上げて真空になっているかどうかを試すことができません。

▼ なぜ機械的な密閉技術ではないのか


 

それには最も重要な理由があるのです。それは安全性です。
 
前述のCASE.2のような理由などで気体が発生したら、ゆるく乗っかるような感じで蓋を浮かせ、臭気は容器内部の上のほうにたまるでしょう。
このような警告を見たら、食中毒の原因になるかもしれないものには触らずに安全のために食べるのは避けましょう。
これらの実用的な安全性からWECKはワイヤーやねじ式などの機械的な密閉装置を作らないのです。もし作ってしまったら、上に記したような目に見える失敗や危険が察知できなくなります。
 
腐敗が進行していたり、それに近い状態になっていても食品によってはわかりにくいことがありますが、子供や料理慣れしていない大人でも蓋がゆるんでいるものは危険、とわかるはずです。