WECKによる保存方法


WECKによる具体的な保存方法を知ると、シンプルで理にかなった保存技術の凄さが見えてきます。

「清潔」は瓶詰め食品における最重要ポイントの1つ
ガラス容器や蓋など使用する物は洗剤を使って熱めのお湯で洗浄し、同じく熱めのお湯でしっかりすすいでください。その後、5分間熱湯煮沸してください。
蓋や容器などを熱湯煮沸しているときには専用のグラスリフターがあると便利です。

ゴムパッキンにひびや割れ目などが入っていないかチェック。

すでに使用したことがあるボムパッキンならより注意深く確認しましょう。両手の親指と人差し指でリングを持ち、少しづつ回転させながらチェックしてください。しっかりしたゴムパッキンがないと容器の密閉はできません。


ゴムパッキンを煮沸消毒しましょう。

食器洗い用の洗剤を入れた熱湯で2、3分煮沸すれば十分です。特に使用したことのあるゴムパッキンで油っぽかったり、べたべたする物、少しカビっぽく見えるものは少し長めに煮沸してください。熱湯から出したあとはキレイな熱めのお湯でしっかりすすいでください。


専用のじょうごがあると便利です。

ガラス容器に煮詰めたジャム用のフルーツなど熱い食品を入れるときは、容器を暖かく濡れた布の上に置いて注いでください。こうすることで、ガラス容器の破損を防ぐことができます。


ガラス容器のどこまで入れていいの?

食品をガラス容器に詰めるときは全体の7〜8分目まで。
詰める量が多いと密閉性が下がる原因となります。


食品を詰めたら、容器の周りをきれいに拭きましょう。

WECK瓶に食品を詰めた際にこぼしてしまった時はしっかり拭いてください。


ゴムパッキンを蓋の溝にはめ込んでから閉めましょう。

ガラス容器に食品を詰める前にゴムパッキンは蓋にはめ込んでおいた方が良いでしょう。
容器に蓋をするまで、ゴムパッキンをはめ込んだ状態の蓋をお湯に浸けておくと便利です。


ステンレスクリップで容器をしっかり閉めましょう。

ステンレスクリップは、防さび加工が施され、バネが半永久的に持つ特性があり、加熱中も2つのクリップの効果で容器はしっかりと密閉された状態が維持されます。食品を容器に入れ蓋をした後、蓋の溝にステンレスクリップを対角線上になる2ヶ所にひっかけます。容器下の溝にカチッとはまるようにクリップを下へ押し下げて下さい。


鍋に入れる

鍋の中に容器を入れる際には、必ず底にワイヤーラックかふきんなどの布を敷いてください。鍋の中で容器どうしが触れ合っていても、鍋の内側に容器が当たっていても構いません。ただし鍋の中にたくさんの容器を無理に押し込まないでください。容器と容器の間にすき間があり、少し動かせるぐらいのほうが良い結果が出ます。
 
鍋の底に敷いたラック・ふきんの上に容器を並べ、ビンの上5cm程がかぶるように、鍋に水またはぬるま湯を入れます。もし鍋の中にいくつか段があったり、背の低い容器と高い容器がいっしょに鍋に入っているようであっても、もっとも背の高い容器の上部に合わせて入れてください。
ガラス容器がすべて水面下になっても、2つのステンレスクリップでしっかり閉めてあるので容器の中に水やぬるま湯が入ることはありません。


加熱を始める前に

①.温度計が正常に働くかどうか、沸騰したお湯の温度を測って試してみましょう。温度計は100°Cを指すはずです。壊れた温度計は使わないように。レシピどおりに作業をしても失敗してしまいます。
 
②.鍋に張った湯の温度とガラス容器中身の温度がほぼ同じであるようにしてください。ガラス容器の中の食品が冷たいものであれば、冷たい水に浸した状態から加熱を始めてください。中身の食品が熱いものであれば、熱いお湯を注いでから加熱を始めましょう。
 
③.容器の中の食品が冷たいのに、熱めのお湯や熱湯を鍋に決して注がないでください。外の水はすぐに(レシピに書かれている)決められた温度に達しますが、容器の中身はその温度に達するまでに時間がかかってしまいます。しかし、温度計は外の水の温度を計測するので、レシピに書かれた加熱時間どおりに食品を加熱できません。加熱時間が足りない、または食品に含まれたバクテリアなどが死滅せずに残るせいで失敗してしまいます。なので鍋に容器を入れた後、水を注ぐ時は、容器の中身とほぼ同じ温度の水を鍋に入れることが重要なのです。
 
④.鍋に火にかけて沸騰させる時はゆっくり時間をかけて沸騰させましょう。


加熱

どんな場合でも加熱時間を決して短縮してはいけません。レシピに書かれた温度に達したところから、加熱時間は始まります。もしレシピに「90℃で25分間加熱」と書いてあったら、温度計が90℃を指すまで25分は数え始めないでください。
 
決められた加熱時間が過ぎたら、ガラス容器をお湯の中から取り出してください。
鍋のお湯の中では冷ませません。鍋の中に放っておくと加熱時間を延長してしまい、容器の中身が加熱しすぎでやわらかくなったりします。また同じ理由により鍋から取り出した容器を毛布などでくるんだりしないでください。
熱いガラス容器を一気に冷やす方法はありません。冷たいところに置いたり、冷水に入れたりしないでください。


鍋から取り出す

鍋からガラス容器を取り出した後、ステンレスクリップは容器が完全に冷めるまで外さないでください。いったん冷えたら、ステンレスクリップは外してください。容器を密閉するためにはもう必要ありません。
 
ステンレスクリップを外したら、容器が密閉されているかどうかを調べるために蓋が開くかどうか、そっと蓋をつかんで持ち上げて見てください。加熱が終わったあと2、3日は毎日蓋をつかんでもちあげるこのテストをやったほうがいいでしょう。それ以降は毎日とは言わず、もう少しインターバルを開けてチェックしてみてください。
 
しっかり密閉されている容器のゴムパッキン突起部分は少し下向きになります。ゴムパッキン突起部分が若干下向きになっているかどうかは、ぱっと見ただけで密閉状態が安全かどうかわかるでしょう。


容器の保存

加熱が済んだ容器を保存する際には直射日光は避けましょう。また保存場所は霜が降りないところであるかを確認してください。涼しい場所に保管しなくてはいけないのですが、基本的には常温で保存してください。


容器を開ける

容器を開ける時は、ゴムパッキンの突起部分をつまみ、『プスッ』と音がするまで横に引っ張ってください。
これは空気が容器の中に入った証拠。瓶内部の気圧と外の気圧が同じになったので、容器の蓋とゴムパッキンは自然とゆるむはずです。ゴムパッキンだけでなく容器のふちや蓋そのものが傷つくので、ナイフ、はさみ、ドライバーなどのとがった物で開けることは絶対に避けてください。
 
ゴムパッキンの突起部分がちぎれた、蓋がどうしても浮いてこない、といった場合はステンレスクリップを留めてから熱湯に入れ、容器を上下逆さまにして数分間煮沸しましょう。

※ 重 要 ※
蓋を持ち上げて密閉されているかどうかを試している時や食品の中身を出そうと思う直前などで、容器に蓋がぴったり密着していない時は重要な警告だと見てください。
特に酸が弱くプロテインを多く含む豆類の食品や肉類の場合は細心の注意が必要です。これらの食品が傷んでしまっていても人の臭覚や味覚では探知できないことがあるので食中毒の危険があります。
疑わしい場合は容器の中身は食べないこと。またゴミ箱に捨てたこれらの食品を誰かが誤って口にしてしまったというようなことが起こらないように注意が必要です。
瓶詰め食品を作る際に、WECK以外の違った密閉法を試したり、中古のガラス瓶を使う場合、安全を十分に考えてください。
長い経験から編み出されたWECKの方法は、自然の気圧密閉を採用しているのでゆるんだ蓋は明らかな警告のサインとして顕著にわかるため、安心できる方法だと言えます。
ワイヤーやねじ式などの機械的な方法で瓶容器を密閉する方法だと、このわかりやすい“ゆるんだ蓋”の警告は示されません。特に家庭での瓶詰め食品製造に慣れていない人や子供にとって、これは判りやすい重要な警告になるのです。

ガラスキャニスターの閉め方


 

文字とストロベリーマークが逆になるように蓋を持ち、周囲のふちの溝にそってゴムパッキンをはめる。密閉部にあたる蓋のヘリにゴムパッキンを指で押し込んでいく。
蓋をキャニスター容器の上にかぶせるようにのせる。
ゴムパッキンが下を向くように。(下向きにしてもリングは落ちません)
ステンレスクリップを蓋の上部くぼみにひっかけ、締め金のもう片方を下方へ押しながら、ふちの出っ張りのすぐ下部分にぴたっとはさみます。開けるときは、ステンレスクリップを下から持ち上げると簡単に外れます。
1つの容器にステンレスクリップは2つ。図にあるように2つが対角線上に並ぶような位置に留める。

Q & A


Q.ステンレスクリップがしっかりはまっていなかった。またはバネの利きが悪くなっていた。こういう場合は加熱が終わるとすぐに開封されてしまいます。どうすればいいの?

A.ほとんどの場合、加熱後冷ましている段階、もしくはそれに近い段階で蓋が開いてしまいます。中身の食品はまだ食べられるのですぐに召し上がった方がいいでしょう。あるいは破損していない道具を使って、再度レシピにそって加熱してください。

Q.蓋もしくはガラス容器本体が加熱中、または冷却中に割れました。どうすればいいの?(めったに起こりません)

A.破損していない道具を使って、再度レシピにそって加熱してください。

Q.当初はゴムパッキンに損傷はなく、品質も良かったが、蓋にきっちりはめていなかった。もしくは容器に食品を詰めすぎたため、加熱中にゴムパッキンが圧力で押されてずれてしまった。どうすればいいの?

A.破損していない道具を使って、再度レシピにそって加熱してください。

Q.甘酸っぱいフルーツや野菜を作っている時、容器にギリギリまで詰めたり、熱いお酢を加熱しすぎるとゴムパッキンに損傷が起こる。熱い酢がまざった液体に触れるとゴムは伸びやすく、均等でなくなるため、容器の密閉ができなくなる。どうすればいいの?

A.破損していない道具を使って、再度レシピにそって加熱してください。

Q.肉類やソーセージなどを加工する場合、容器に詰めすぎると加熱されて膨張した脂肪分が容器の密閉口から溢れ出てしまう。熱い脂肪分はゴムをゆるめることがあるが、脂肪によって容器と蓋、ゴムパッキンが密着するので、実際は密閉されていないのにそのように見えてしまう。どうすればいいの?

A.冷却後すぐに蓋が開いてしまったら、破損していない道具を使って、再度レシピにそって加熱してください。少し時間が経った後になって密閉されていないことが発覚したら、子供やペットなどが間違って食してしまう前に注意して捨てましょう。

Q.加熱時間や加熱温度が守られていなかった。もしくは温度計が正しい温度を示していなかった。結果としてバクテリアなど菌がきっちり殺菌されなかったと思われます。数日、もしくは数週間で腐敗が進行し、臭気が発生して蓋を押し開けてしまいます。どうすればいいの?

A.注意して食品を破棄しましょう。ペットや子供が間違って手を出さないように注意して処理してください。